注目キーワード

和太鼓奏者アート・リー 鬼太鼓座からTOKARA結成まで【ACジャパンのCM】

  • 9月 13, 2019
  • 4月 7, 2020
  • 雑記

ACジャパンの広告「認め合うことがチカラニなる」で、最後に熱く和太鼓をたたく外国人がいます。

パフォーマーとしてずいぶん大勢の人と演奏している様子がめちゃくちゃ気になるところ。

あんまりメディアでは見かけないし、興味ある!と思って調べてみました。

彼の名前はアート・リー(Art Lee)、アメリカ出身の和太鼓奏者です。

 

 

アート・リー氏とはどんな功績がある人?

アートさんがどんな経歴の持ち主で、どんな功績からCM起用されたんでしょうか。

和太鼓奏者として芸術ビザを取得した唯一の外国人

出身はアメリカ、カリフォルニア州。

学生時代に日本の和太鼓グループの演奏を初めて目にし、感動のあまりこの練習に没頭するようになったそうです。

日本のプロ集団『鬼太鼓座(おんでこざ)』がアメリカ講演をした際、彼は練習を初めて1年目にしてスカウトされたとのこと。

彼がただラッキーな人だったのではなく、練習もさることながら、和太鼓や日本への情熱、自分を売り込んでいくという気概がプロの目に留まったんです。

1994年に初来日し、鬼太鼓座のメンバーとして各地をツアーで巡る中、和太鼓のプロになろうと決意しました。

その後一度帰国し、大学を卒業後にふたたび来日、自らもプロ和太鼓奏者を目指すことに。

1998年より、長野県飯田市に拠点を構え、和太鼓奏者として世界的に活躍

2001年、芸術ビザを取得

2004年、TOKARA結成

 

芸術ビザを取るのは簡単なことじゃない

日本において、次のような者が行う収入を伴う芸術上の活動が該当します。 ただし、展覧会への入選等、芸術上の相当程度の業績のある者であり、芸術上の活動のみにより日本にお いて安定した生活を営むことができると認められることが必要です。


1.創作活動を行う作曲家、作詞家、画家、彫刻家、工芸家、著述家、写真家等の芸術家
2.音楽、美術、文学、写真、演劇、舞踊、映画、その他の芸術上の活動について指導を行う者

 

引用:ビザ情報ナビ

 

これを見る限り、生半可な才能だけでは決して取得できないことがわかります。

美大生や音大生などアーティストやクリエイターを目指している人はごまんといますが、実際にその中で成功し、かつ「安定した生活を営む」ことができるのは日本人でさえほんの一握りです。

しかも、「芸術上の活動のみ」により収入を得ることが条件なので、売れない芸術家だからといってアルバイトをしながら生計を立てても、芸術ビザを取ることはできないんです。

これは一個人がふらっと日本に来て芸術活動を始めても、なしうる可能性は極めて低いといえるでしょう。

ではなぜアート・リーさんが芸術ビザを取ることができたか。

それは彼の努力や才能を発揮できる強力なバックボーンがあったからだろうと思います。

それが鬼太鼓座(おんでこざ)という和太鼓のパフォーマンス集団です。

 

鬼太鼓座(おんでこざ)の衝撃的なエピソード

鬼太鼓座とは1971年に結成された和太鼓のパフォーマンス集団。

創設者の田耕(でん たがやす)氏が、拠点としていた新潟県佐渡市の郷土芸能『鬼太鼓(おんでこ)』をもとに命名しました。

トレーニングにマラソンを取り入れており、1975年のボストンマラソンにて、42.195㎞を5人全員完走したあとそのまま舞台に上がり、三尺八寸の大太鼓を演奏し、これがアメリカでのデビューとなりました。

 

一尺は約30.3㎝、一寸は約3㎝

なので三尺八寸は直径約1mの大太鼓となります。

 

全員が完走したうえ、その足でこの大太鼓を披露したとなると、そのインパクトは絶大だったことでしょう。

しかも、同時に演奏するために手をつないで走れなどと言われていたらしい(@_@)

そしてなんとこの時、ボストン・フィルハーモニー管弦楽団で音楽監督をしていた小澤征爾氏がマラソンを観戦に来ていたようで、彼からのオファーでオーケストラと一緒に演奏することになったのです。

それが1976年、作曲家石井真木氏による作品で小澤征爾指揮「モノプリズム」という、和太鼓とオーケストラのコラボした作品。

現在モノプリズムを収録したCDはネットで購入できます。(演奏は太鼓芸能集団「鼓童」による)

 

その後メンバーを入れ替えながらも、アメリカ、中国、中東、南アフリカ、東欧、南米と、世界中をめぐって現在も和太鼓パフォーマンスを続けています。

鬼太鼓座のメンバーたちは独立する奏者も多く、ソロデビューを果たしたり、自らの一座を作り上げる人もいました。

アート・リーさんはそんな中の人ひとり。

独立後、TOKARAという国際色あふれる和太鼓アンサンブルを創設したのです。

 

TOKARAってなに?

TOKARA(トカラ)とはアート・リーが2004年に結成したパーカッショニストのグループで、日本だけでなく世界各国からメンバーが集結しています。

「TOKARA」とは、日本語の「遠くから」を縮めた造語。

メンバー一人一人が「遠くから」集まり、異なった文化の出会いを表しています。

また、“遠い”昔からある日本の古き良き伝統を、異文化の合流した“遠い”未来へとつなぐという、深い意味も込められているんです

結成後まもなくして国際デビューを果たしており、現在までも年に数回、日本やアメリカ、ヨーロッパ、アジア、オセアニアでワールドツアーをこなしているとのこと。

また、海外への和太鼓の普及のため、2008年から外国人を対象とした研修プログラムも実施しており、毎年アジアやヨーロッパ各地から大勢の希望者が参加しています。

和太鼓に情熱を注ぐ人が世界中にいて、同じ志を持ったまま日本に集結するというのは、思わず鳥肌が立ってしまうほどの勢いを感じる。

 

最近公式サイトが一新されました。

▼最新の情報が載っています(*´▽`*)

TOKARA公式サイト

まとめ

アートさんはCMのなかでこのように語っています。

「和太鼓には叩いた人すべての魂が入っています 性別や国に関係なく、尊敬しあうことが非常に大切です」

“A taiko holds soul of everyone has played it

Respect each other ,regardless of gender or nationality is incredibly important”

ACジャパンのCM

彼が日本と世界をつなぐ架け橋になっていることは間違いありません。

彼の拠点は長野県飯田市。緑豊かな穏やかな土地です。

もっと都内にも出てきて~ヾ(*´∀`*)ノ

 

ACジャパンのCMにはあと二人、情熱と才能を持った外国人が出演しています。よろしければどうぞ。

⇒関連記事:桂三輝 100年ぶりの外国人噺家/そのルーツは南欧スロヴェニアから

⇒関連記事:スザーン・ロス氏は誰?伝統工芸作家としての半生は?

 

当サイトで一番読まれている記事はこちら

⇒人気記事:日本語教育能力検定試験に初挑戦 アルクの通信講座に自己投資

最新情報をチェックしよう!