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EU(欧州連合)発展の背景には何があった?統一通貨の役割は?

  • 9月 16, 2019
  • 10月 17, 2019
  • 雑記

イギリスがEUから離脱するとか合意がないだとか、数年前から話題になっていますよね。

2019年4月には、同年10月31日が離脱の期限であることが決定しています。

 

なんで何年も同じようなこと言ってるの?

じゃあ今は何が問題なの?

と机を叩きたくなってしまいます。

でも、待ってください。

 
そもそも、EUって何だっけ

通貨はユーロですよね。それは知ってます。

 
ドイツのマルクやフランスのフランは使われなくなったけど、
イギリスのポンドはそのままだし、
チェコに行ったときはユーロとチェココルナが併用できたし…

意外と知らないEUの話。

この記事は、「はて?そういえば」となったあなたにもわかりやすくまとめました。

 

EU(欧州連合)の成り立ちと役割を知る

ユーロのありがたさと危険性を知る

 

EU(欧州連合)ってなに

【ソ連vsアメリカ】冷戦時代が背景に

EUという名前になったのはじつはそんなに昔ではないんです。

発足が1993年なので、もう26年も前なんですね。

でも、ヨーロッパをアメリカみたいな一つの合衆国にしたいという思想や母体は半世紀以上前からありました。

大きなきっかけは、2度の世界大戦です。

ヨーロッパ各国は、国土の疲弊と経済への大打撃を受けることとなりました。

 
各地で戦火が上がり多くの人が死ぬ戦争が、
わずか30年の間に2回も起こったもんだから

さらに、アメリカとソ連の二大国が、それぞれ資本主義と社会主義とで真っ向から対立する冷戦時代へと突入しました。

 
この二国、大戦中は対ドイツのために手を組んで、
仲が良かったはずなんだけどね…

ソ連はナチスドイツから東ヨーロッパの各国、 ポーランド、ルーマニア、ハンガリー、ブルガリア、アルバニアなどを社会主義国として引き入れて、自国の傘下にしてしまいます。

一方でアメリカは戦地になっていないためさほど疲弊しておらず、民主主義国として軍事的、経済的にますます発展していきました。

 
落ち着いて平和を享受すればいいのに
野心たっぷりだ

と考えるのは政治も戦争も知らない一般人だからでしょうか。

とにかく、米ソに挟まれている西ヨーロッパとしては気が気ではありませんでした。

欧州は連携をとる必要があった

アメリカとソ連が競い合うように核兵器や核実験を繰り返すと、残った西ヨーロッパは大変な焦りました。

二大国に経済的な後れをとらないよう、また二度と欧州間で戦争を起こさないよう、自国を守るためには共闘姿勢をとらざるを得なかったのです。

まず、最初の動きはフランスとドイツでした。

以前より石炭と鉄鋼資源をめぐって国境付近で小競り合いのあった二国は、1952年に欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)を設立しました。

 
これで争いの火種をなくしましょう、と合意したことになるね

これにはフランス、ドイツのほか「うちもうちも!」ということでイタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグの計6か国が加盟しました。

これが現EUの母体となります。

その後、経済市場の発展をはかる目的の欧州経済共同体(EEC)、資源として原子力エネルギーを管理する目的の欧州原子力共同体(EURATOM)が創設されます。

1967年に、この3つの共同体の執行機関が統合され、EC(欧州諸共同体)が誕生しました。

 
EC(欧州諸共同体)は教科書で見た覚えがある!

ECは経済的にもかなり好調だったので、その後加盟国は続々と増えました。

最初は様子を見ていて、「お、調子よさそう?なら入る!」と考える国が増えたわけです。

1986年までにはイギリスを含む6か国が加盟するし、計12か国の組織体となるほど大きく発展していきました。

 
イギリスが入ったのはちょうどここからなんだ

EU(欧州連合)の誕生

ECはずっと成功していたわけではありません。

1970年代の2度のオイルショック、1980年代のベルリンの壁やソ連の崩壊、東欧諸国の民主化など、ヨーロッパ各地で劇的な変化が起こります。

 
こんなに周りが変化してるのに、ECが変わらないままなはずないか…

ヨーロッパ諸国内の関係は、経済だけでなく政治的にも協力関係を強化することが求められるようになりました。

これによって1993年にEU(欧州連合)が発足するわけです。

EUには北欧やかつての共産主義東欧諸国も次々と加盟しており、2019年9月現在では28か国が加盟しています。

EUに加盟すると、加盟国内でのヒト、モノの移動は自由になり、軍事的な結束が固くなり、経済的な弱小国はインフラ整備を協力を仰ぐことができます。

 
ロシアとアメリカ、経済発展を遂げているアジアへ対等に張り合えることになったんだ!

ユーロ(€)の功罪 ギリシャの財政問題

1999年、EU加盟国の統一通貨、ユーロ(€)が導入されました。

じつは加盟国内でも、ドイツやフランスのようにそれぞれマルクやフランを完全に廃止してユーロに一本化した国もあれば、 イギリス、スウェーデン、デンマーク、ラトビア、リトアニア、ブルガリア、ポーランド、ハンガリー、チェコ、ルーマニアのように、ユーロを使わないで自国の通貨で対応している国もあるんです。

 
チェコはユーロとチェココルナを併用できたよ
(併用といっても混ぜて使うわけじゃないけど)
ただしレートはチェココルナの方が少し良かったな

自国内での経済がうまくいっている場合、ユーロを使うことで逆にマイナスになる一方、経済がうまくいっていない国は、ユーロを導入することで手数料がかからなくなり、経済の発展につながるとも考えられます。

たとえばドイツマルクはずーっとマルク高でした。

それがユーロになり、為替取引のコストがかからなくなると、資本や産業の流れがよくなり、輸出量を一気に増やし、失業率の改善につながり好景気になりました。

 
ドイツ的には万々歳だね
 
EU全体で見ればアメリカ・ドルと張り合える価値を手に入れたことになるのか

ところが、想定以上の出来事が起こってしまいました。

それがあのギリシャの財政危機です。

ギリシャはもともと巨額の赤字があったにもかかわらず、それを隠して2001年にユーロ圏に加盟しました。

為替取引のリスクがなくなったことで、ギリシャはさらに借金をしまくって赤字をカバー…できるはずでした。

 
結局ウソはばれてしまったんだ…

国家レベルでまさに火の車といったところでしょう。

EUは運命共同体。

どこかが経済破綻するとほかの加盟国にも飛び火します。

なのでEUはギリシャに金融支援をすることになりました。

 
そんなの見捨てて切り離せばいいじゃん。
うそまでついて、爆弾抱えてる国なんて!と思わない?
 
それがねぇ、
ギリシャの立地が特殊だから、EUとしては簡単に手放せないんだよ

それが、対ロシアです。

ギリシャを手放すと、ロシアは黒海を南下してエーゲ海へ侵入してしまう可能性があったからです。

それを逆手にとって、

「うちらを助けなくていいの~? ロシアに下っちゃうよ~」

と強気なのはギリシャ。

現在、支援プログラムは完了しており、最悪の事態は去ったと言われていますが高い失業率は変わっていません。

 
若い世代が不憫だねぇ…
友達の学費を助けるために自作のノートを売っている子どももいるらしいよ

このように、統一通貨の為替が固定されているため、経済発展に後れのある国は通貨のコントロールができず、地域格差の拡大や財政危機に陥ることもあるのです。

まとめ

 
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ポイントをまとめます

  • もともとヨーロッパには統合思想があった
  • 第二次大戦後に疲弊したヨーロッパが協力しないと、米ソアジアに後れをとりそうだったから
  • 1970、80年代に歴史的な変化が世界各地で起こり、EUという新しい思想が必要になった
  • ユーロは人やモノの流れを良くし、経済を発展させる作用がある
  • その代わり経済力に後れのある国では通貨の融通が利かず、逆に経済破綻をまねくこともある

いま話題となっているイギリスの離脱問題を考えるにあたって、根本的なEUの理解は必要だと思います。

 

 

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