人生初の海外旅行にロシアを選びました。
航空券からホステルの手配まで一人でやりました。
「ロシアへ行く」
と言った時の周囲の反応は、「マジ?あぶなくない!?」でした。
行き先がロシアであろうとなかろうと、海外に行くこと自体が「あぶない」のでは。
日本の安全レベルは世界でもトップクラスだから。
とはいえ、じっさい危険なのもそのはず。
当時(2014年)はウクライナの旅客機が撃墜されたり、クリミア問題でウクライナーロシア間の情勢が最悪でした。
そんな「おそロシア」で私がビビりながらも挑戦したみたことをまとめました。
これからロシアに行こうと思っている人でも、「これなら私もできるかも!」と思ってもらえると思います。
独学のロシア語 あいさつ程度しかできない私が、ロシア旅で怖くてもやってみたこと
怖くてもやってみたこと①そもそもひとりでロシアへ行ったこと。人生初の海外旅行だった
ロシアを選んだのは、ロシア語のキリル文字が好きだったり、歴史が好きだったりといくつか理由がありました。
パッケージツアーじゃなくて個人手配で行ったのは、たった一つの理由です。
「その方が安いから」
3泊5日の旅行でしたが、ツアーだと27万円くらいしました。
この中には、ビザの手配代、一人参加代として3万円くらいが含まれています。
至れり尽くせりやってもらえる代わりに支払うには、私には高すぎました。
安全、安心、確実性をお金で買いたい人には十分だと思います。
でも私は『それ自分でやればもっと安くなるんじゃないの?』と気づき、ネットの情報を調べまくりました。
ビザも取るのは大変だけど、できないわけではない。
ホテルの予約もそう。
幸いにして今の時代はオンラインですべて予約ができます。
英語だけのサイトでも、グーグル翻訳機能があれば多少ヘンテコでも日本語で読めます。
そんなわけで航空券はエクスペディア、ホテル(実際はホステル)はBooking,comでとりました。
どちらも日本語で予約できます。
ビザの取り方もネットで出ているので、四苦八苦しながら自分でロシア大使館に申請に行きました。
結果的に9月のロシア旅行、3泊5日、11万円ほどで済みました。
(内訳:航空券代9万円、ホステル代3泊で2500円、その他諸経費18000円くらい)
自分でやればこんなに安くできる。
安いならもっと行けるんじゃないかと思いましたね
私はちゃんと海外旅行をしたことがありません。 せいぜい幼少期に家族でハワイに連れていかれたくらい。そして現地の空港でゲロゲロした記憶があるくらい。 英語はむかしから得意でしたが、それも中学、高校で成績がよかったという程度。 10年前に[…]
怖くてもやってみたこと②がんばって身につけた(ささやかな)ロシア語でしゃべってみた
私は英語が好きなんですが、好きだからこそ、留学して流ちょうにしゃべれる人に対してずっと劣等感がありました。
どうやったらこのコンプレックスから逃れられるのか…
「そうだ、ロシア行こう!」
ロシアを選んだ「好きだから」以外の理由として、「ロシアでは英語が通じないから」というのがあります。
これはマジです。
シェレメチェヴォ空港内、モスクワの中心地は看板に英語表記が添えられていますが、中心から少し離れるだけでもう英語併記はなくなります。
英語が通じなければ、英語スピーカーの帰国子女とも格差が無くなるのではないかという目論見は見事に大当たり。
それを決定づける出来事がありました。
ホステルの同室で仲良くなった中国人のバックパッカーの女の子と、一度だけいっしょに朝食をとったときのことです。
彼女はジャーナリストで、もうネイティブ並みに英語がペラペラ。
私は中学レベル。TOEICは430点。
朝から開いている店を探して街を散策し、ある一軒のカフェに入ってみました。
少し薄暗くて、やっているかどうかわかりません。
奥には若い男性スタッフが。
中国人の女の子が『やってますか?』と英語で聞いてみたところ、
ロシア人スタッフは『???』なんです。
焦った私は顔を真っ赤にしながら、覚えたてのロシア語で『アナタハ 働イテイマスカ?』と聞くと、通じたんです!!
チョット、いやかなり後ろ向きな考え方だけど。
英語ペラペラスピーカーに「すごいねー!!」と言われたw
怖くてもやってみたこと③モスクワの郊外で道に迷って、ドラクエさながら街の人に道を尋ねた
私のロシア語は完全独学で、NHKテキストやら文法書やら、会話練習やら自分でちょっとずつやっているだけでした。
旅行にあたって、最低限知っておきたい言葉があります。
それは、
『○○ハ、ドコデスカ?』
ロシア語で、
『Где ○○?』(グヂェ ○○?)
これさえ覚えれば、もうほかになにもいらない。(イヤいるけど…)
『トイレはどこですか』
『○○博物館はどこですか』
使えることはたくさん!
文法的に○○に入る言葉は形が変わることがありますが、現場に出たらそんなの関係ねぇ!
そんなことまで気にしてらんない。
言葉がわからなくても、ガイドブックで目的地を指さしながら、『Где ○○?』と聞けば教えてくれます。
私は【オルロフ記念ロシア科学アカデミー古生物博物館】を探してモスクワ郊外の駅を1時間ほどうろうろしていました。
ここはガイドブックにも載っていない場所です。
当時のロシア人の文通相手から教えてもらいました。
無知すぎてWi-Fiのつなぎ方も知らない、グーグルマップのオフライン機能も知らない、スクリーンショットのやり方も知らない、かろうじて最寄り駅の名前を覚えていたくらい。
駅周辺をうろうろして、もうらちが明かないと判断した私は、超ドキドキしながら町の人に博物館の場所を尋ね歩きました。
そう、ドラクエみたいに。
ほとんどが『Нет』(英語で言うNO)と首を振られてしまうなか、『知ってる』というひとを発見!
『どうやっていくつもり?』(意訳)みたいなことを聞かれたので、歩くジェスチャーをして見せたら『遠いわよあなた、正気!?』(超訳)みたいに驚かれました。
方面がわかったのであとはそちらに向かって歩くのみ。
途中の売店でも場所を尋ねると、やはりこの方角で正しいようす。
で、なんとか到着しましたー!!
到着には迷いまくったせいで1時間半ほどかかりました。
おかげで「迷ったら町の人に聞く」というドラクエ体験ができました!
日本のガイドブックにはまず載っていないであろう、ロシア/モスクワのマイナーな場所を紹介していきたいと思います。 赤の広場とかトレチャコフ美術館とかボリショイ劇場とか、 メジャーどころは全部見ちゃった[…]
怖くてもやってみたこと④みやげもの市場、ヴェルニサージュで値切ってみた 300p⇒100pに
ヴェルニサージュは土産物だけでなく日曜人なども売っている蚤の市。
最寄り駅はパルチザンスカヤ駅で、入るのに20p(ルーブル)ほどお金がかかります。
入口らしき場所にふつーっぽいおじさんが立っていて、その人にお金を渡す仕組みです。
が、時間帯によってだんだん値下がりして、夕方になると無料になるみたい(なんだそりゃ)。
毛皮のマフラーやシャープカ(帽子)もわんさか売っているうえ、キッチン用品、ソ連アーミーグッズ、マトリョーシカなどあらゆるものが売られています。
モスクワのメインストリート、アルバート大通りに面しているみやげもの店より格段に安いです。
が、なかには「この値段でこれ?なんかちゃちい…」ものも。
(ストラップ付のちっさいマトリョーシカ、小指サイズで100p)
「ここは値切る前提で高めに設定してあるのだ。値切らねば!」
そうビビッと来ました。
でも、値切るなんてしたことありません。日本で値切るって、大阪のおばちゃんとかそんなくらいしか思いつかない(すみません)。
いや、でも、値切らねば!
ということで、500pのアーミーグッズ(携帯用ウォッカのステンレスボトルとショットグラス2個セット)を300pまで値切りました。
【値切り方】※ここの店員さんたちは、英語を話してくれます。(なまり過ぎてときどき何言ってるか不明)
買いたいものをおじさんに渡すと、
『500(five hundred)』と言うので、
『う~~ん、250(two hundred fifty)』と悩む顔をして答えます。
するとおじさん、『400』と言うので、
こちらは『300』と答える。
で、『オーケー、わかったよ』と相手が折れたらおしまい。
怖くてもやってみたこと⑤チップの払い方知らないけどレストランに入ってみた
個人旅行の必携書『地球の歩き方 ロシア』に載っていた『コルチマ・タラス・ブリバ』というウクライナ料理のレストランへ行ってみました。
私はケチで倹約家なので、モスクワでの食事は基本的にスーパーのお総菜とか道沿いに出ている屋台のパンとかで済ませていました。
が、一度は本格的な美味しいボルシチを食べたくて、行ってみたのがこちらのレストラン。
【コルチマ・タラス・ブリバ】(ロシア語のみ)
日本語メニューがあると書いてあったので、おっかなびっくり入ってみると、確かにありました。
ところどころおかしいですが、ちゃんと読めます。
ここでボルシチとペリメニ(ロシア風水餃子)、黒パン、クワス(黒パンの発酵ドリンク)をオーダーし、全部で1000pくらい。
日本円にして当時のレートで1900円くらいのランチなので、まあ東京価格です。
ここは観光客向けのレストランのようで、メニューは各国の言語がありました。
スタッフのフレンドリーで愛想がよく、ロシア人のコワいイメージを壊してくれます。
あれはウクライナ人だったのかな…
当時はクリミア半島の問題でロシアVSウクライナ情勢がかなりヤバかった時期でした。
すっかり忘れてたけど。
とにかくすべての料理をおいしくいただき、さてお会計はと伝票を持って立ち上がり、レジを探して店内をぐるぐる———
(レジがないなー)
とそのまま入口の方まで行きかけたとき、スタッフに止められました。
食い逃げされると思われたのか…
どうやらテーブル会計だったようです。(恥)
めちゃくちゃ恥ずかしい気持ちになりながら、穴があったら入りたいというオーソドックスな思いに駆られつつ、お支払いして店を後にしました。
(あれ? チップって払ったか?)
いまさら戻れない。
あんなにおいしくて親切でいい雰囲気の店だったのに。
いや、でも待て、チップっていつ払うタイミングあった??
チップってどうやって払うもん??
これ以降レストランが怖くなり(笑)、できるだけ避けるようになりました。
一応、この後3、4か国の海外旅行経験を積み、少しだけチップのことがわかるようになりました。
【チップの払い方】
- 目安は代金の10%~(高級レストランは20%)
- 会計時に現金で払うこともあれば、支払い時のクレジットカードに上乗せして払うこともある
- 計算上ちょうど10%くらいになるなら、お釣りをもらわないことでチップの支払いとすることもできる
- レジ前に「TIPS(チップ)」と書かれた箱が置いてあることがある(日本でいう「ユニセフ募金」的な)
- 伝票を確認し、「TIPS(チップ)」や「GRATUITY(謝礼)」が書いてあれば追加で払う必要はない
出す紙幣を間違えたり…何度海外に行っても、チップに関しては失敗ばかり。
恥ずかしいだけじゃなく、不誠実に思われて自己嫌悪です。
チップこわい!!
まとめ:怖くてもやってみたこと、思い返してみると。
どんなにビビりでも、頼れるのは自分しかいないという状況になったら、思いもよらない力で突き動かされるものです。
それは普通に日本で生活していたら、ぜったいに表には出てこない力です。
個人手配で行くロシアは、英語が通じないぶんハードルは高い。
(英語が通じないってこんなに大変なんだと、思い知らされます)
でも、なんとかなりました。
前人未到の荒野に行くわけじゃないんです、そこで生活している多くの人々がいるんです。
「言葉が通じなくても、意志は通じる」———こんなに感動することはありません。
「行動すること」
それは、あなたの知らないあなたを発見するチャンスですよ!
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