社会人になってしばらくたつと、このまま仕事を続けていいものか迷うことがあります。
給与面に納得がいかない、通勤時間がつらい、残業がきついなど、人によって理由はさまざま。
しかし、いざ辞めようかどうしようか葛藤するとき、まじめでがんばり屋さんな人ほど「これは甘えなんじゃないか」と深く悩む傾向にあります。
業務内容が自分に合わず、仕事を辞めたいと考えている。
でも、
「ここまで育ててくれた会社に申し訳ない
ふつうの人はこんなことで辞めないんだろうな
これは甘えなのかな…」
と悩んでいる20代のあなた
甘えの基準はひとによってちがう。甘えだったかは辞めた後にしかわからないもの
たとえば通勤時間片道30分で残業もなし、人間関係も良好だけど、単調な仕事ばかりで面白くないし給料も低い仕事があったとします。
一見すると理想的な職場ですが、そんな職場の人が「もっとやりがいがあって給料のいい仕事がしたい」と辞めたら?
いっぽう、通勤時間片道2時間で残業もしばしば、ギスギスした人間関係だけどグローバルな企業で仕事のやりがいがあり、給料も悪くない。
そんな職場の人が「もっとラクに働ける場所がいい」と辞めたら?
どっちが甘えでしょうか?
答えはどちらも甘えであり、甘えじゃない、です。
残業ばかりで過酷な労働環境に耐えている人にしてみれば、「残業もなくて通勤も楽で人間関係も良好なのに仕事を辞めるなんて甘い」と考えるでしょう。
つまらない仕事ばかりでやりがいを見失っている人にしてみれば、「グローバル企業で世界的にも活躍できるのに辞めるなんて甘い」と考えるかもしれない。
もしあなたが、自分の考えは甘いんじゃないかと思っているなら、それはだれに聞いても答えがないナンセンスな疑問です。
ひとによって答えが違うから。
私の母の話です。
母は離婚後、子どもたち3人を抱えて働いていました。
契約社員として事務や営業で働いていましたが、ついに契約が切られることになってしまいました。
次は正社員で仕事を探しました。
ところがこの会社がブラックで、ワンマン社長のパワハラがやばかったと聞いています。
包丁を見せられたこともあったそうです。
二週間ほどしか勤務していなかったんですが、身の危険を感じた母は出社せず電話で「辞めます、もう無理です」と伝えたところ、「なんだキサマ、殺すぞ!」と言われました。
あなたはどう思いますか?
「そんなブラック企業なら辞めて正解だよ!」と思いますか?(私はそう思いました)
でも、
「子ども3人もシングルで育てるのに、そのくらいのことで辞めるなんて甘いんじゃない?」(仕事したくても仕事がない人はいるのよ)
そう考える人だっているかもしれない。
甘えかどうか、わかるのは辞めた後です。
母はその後必死で仕事を探し、最終的に正社員で働くことができ、勤続15年以上で現役の営業部長です。
しかし、もしその後何の職にもつけず貧困家庭になって生活保護でも受給するしかなかったら、母の選択肢は甘かったと言えるかもしれません。
辞めたいのが甘えかどうかは辞めた後にしかわからないものだし、他人に決められることじゃない。
「後悔するんじゃないか」と何もしないうちに考えているのと同じこと。
行動を起こさなければ後悔するかどうかなんてわかりませんよね。
なので、甘えかどうかを辞める前に考えても無意味です。
甘えかどうか悩むより、仕事を続けることに価値があるか考えるべき
まとめ:数年後に振り返ってみる
自分の決断を数年たって振り返ってみることがあります。
月並みですが、やった後悔よりやらなかった後悔の方が大きいですね。
どんな選択にしても、選べるのは二つのうち一つだけ。
新卒で第一志望で入ったはずの企業。 でも、 「思った部署につけなくて苦痛に感じている」 「仕事は好きだけど残業も多く体力的にきつい」 「次第に仕事に魅力を感じなくなってきた」 など、ストレスが溜まってきて仕事を辞めたくなってしまう[…]
