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ハーフへの興味は方言バイリンガルへのあこがれと同じ

私は以前、ハーフタレントやハーフの子どもへの過剰なあこがれはいかがなものかという記事を書いたんですが、それと同時に「バイリンガルハーフの人の頭のなかってどうなってる?」という興味はわりとあるんです。

ハーフの子どもをもてはやすのは日本人だけじゃなかった話

 

本記事は「ハーフなのに日本語しかしゃべれない」とか「ハーフなのに和顔」とか、「ハーフなのに○○」という差別について論じる内容じゃありません。

 

私が言いたいのはただひとつ。

生まれつき(または生育過程で)バイリンガルになったひとって、頭のなかで言語はどう変換されてるの?

これは小学生のころから思ってました。

 

バイリンガル。

たとえばお父さんが外国人、お母さんが日本人で幼少期からそれぞれの言語を与えられて育つとバイリンガルになれます。

厳密にはバイリンガルでも母語①と母語②を同等量で使い分けられる人と、どちらかに偏りがある人と、何歳から学び始めたかでバランスの比率が変わることがあるようです。

 

バイリンガル。

それはなにも日本人と外国人の間の子どもだけとは限りません。

津軽弁、東北弁、関西弁…など各地の方言を身に着けながらも、共通語を解し、自在に操れるひとも立派なバイリンガルです。

 

 
いいなあ、2言語(方言)しゃべってみたいなぁ! 使い分けてみたいなあ!!
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バイリンガル探訪①:東京人にとって方言はあこがれの異国ことば

生まれも育ちも東京人の私。父は江戸っ子、母は信州の人ですが共通語しかしゃべらないため、私はなんの変哲もないふつうの東京語しか話せません。

祖父母が存命だったころは母の実家で信州なまりを聞いているとワクワクしていました。

 

方言へのときめきは年食った今でも変わらず、青森出身の同僚に津軽弁をしゃべってもらうと「おお!」と盛り上がります。

たとえば京都旅行に行ったら、現地のお店のスタッフさんは京都言葉をしゃべっていますよね?

あれを聞くだけで、

「私は今、京都にいるんだ!!」

とものすごく興奮します。

この興奮は海外旅行をしたときと似ています。

 

バイリンガル探訪②;在日外国人のスイッチ

学生の頃、アルバイトをしていたレストランによく在日韓国人の方たちがきていました。

年のころは60代で、ふつうに国際結婚したというより歴史的な背景もあるのかなといった感じ。

で、そのおばさまたちがおしゃべりしてるわけですが、お国なまりのある日本語をしゃべっていたかと思えば急に韓国語が混ざり、突然日本語に戻るという現象に驚きました。

 

あっれ~?さっきまで日本語しゃべってたよな…?

気のせいだった?

日本語っぽい韓国語だった?

いやまて、やっぱ日本語だ!!

なぜ!?

ホールスタッフをしながらおばさまたちの会話についつい聞き入ってしまったことを覚えています。

 

バイリンガル探訪③ハーフの子どもたちの流ちょうな2言語使い分け

温泉施設へ行った時のこと。

外見上ハーフとわかる3姉妹の子どもが英語でぺちゃくちゃおしゃべりをしています。

と、後ろからお母さんに日本語で「静かにしなさい、走らないで!」と注意され、不本意そうに「はあい」と返事をして、今度は日本語でおしゃべりの続きをしていました。

 

たぶん、本人たちには言語を切り替えている意識はないんだと思います。

職場の青森出身の同僚も普通にしゃべっていてときどきなまりますが、自分ではなまっていることに気づかないみたい。

 

バイリンガルの頭のなかってどうなってるの?

バイリンガルの人たちは、たとえば頭のなかで独り言をつぶやいたりするとき、何語なんでしょうか?

私のパートナーはロシア語(母国語)、英語、日本語をしゃべれるので聞いてみました。

 

 
頭のなかは何語なの?
『英語で仕事しなきゃいけないときは英語、ロシア語が必要なときはロシア語』
 
じゃあ日本語しゃべるときは?
『何も考えない。ただしゃべるだけ』

 

彼にとって日本語は一番遅く習得をはじめた言語であり、日常会話はそこそこできるものの、難易度の高い熟語が混ざると聞き取れなくなってしまうレベル。

対して、英語はネイティブレベルで4技能(読む、書く、聞く、話す)ができます。

日本語で話すときは専門的な内容の必要がないためか、または日本語で考えられるほどの語彙がないためか、なにも意識していないという事実が発覚。

 

そして青森出身の同僚にこの旨を聞くと、やはり同じような答えが返ってきました。

「実家に帰ったら津軽弁で考えるけど、東京にいるあいだは共通語で考えるよ」

ふむふむ。

やはり頭のなかで瞬間的に適切な言語に切り替えているのが正しいと言えそうです。

 

またロシア人の彼の場合、日本語の語彙が少ないからこそ、言いたい言葉が日本語で見つからなかったときは英単語を混ぜてしゃべります。

 

 
それってほぼルー語じゃん!!(笑)
ルー語とは:

主に、タレントのルー大柴が顕著に使用する怪しいカタカナ語を多く交えた文章を指す語。例として、テレビCMのキャッチフレーズに使用された「トゥギャザーしようぜ」など。

Weblio辞書

 

「寝耳にウォーター(「寝耳に水」の意味)」「藪からスティック(「藪から棒」の意味)」

Wikipedia

 

彼の場合:

『ぼくはpostureが悪いから』(posture:姿勢)

とか、

『その日本人の男はsubmissiveにならなければね』(submissive:従順な)

とか。

つまり、弱い言語を補うために慣れた言語にスイッチすることがあるんです。

 

一方であの韓国出身のおばさまたちが突然、日本語に韓国語が混ざりだしたのは、言いたい表現が日本語にない(もしくはすぐに探せない)ときに慣れた韓国語で代用した、という可能性がありますね。

 

そして、幼少期ではそんなに難しいことを考えないはずなので、あの温泉施設であった3姉妹は何かのきっかけで日本語と英語の比重が変わると、バランスの傾いたほうの言語を使うんだろうと思います。

お父さん(英語話者)が話しかければ英語に、お母さん(日本語話者)が話しかければ日本語に切り替わると考えられますね。

 

バイリンガルになるには長い道のりが必要な上、母語じゃない言葉を維持し続けるのに努力も必要です。

自分には到底できないことをやってのける方言や他言語を使い分けられる人たちはほんとに羨ましい。

 

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