注目キーワード

外国人彼氏と日本語で話すときに苦労する「オノマトペ」

まずはじめに。

私とロシア人彼の会話の主な言語は日本語です。

私が留学を控えていることもあり、最近はなるべく英語で話すようにしていますが、せいぜい中学レベルの英語がやっと。

その点彼は、日本語の語学留学生でもなければ日本語検定を受験したわけでもないのに、独学と私との会話で日本語がどんどん上手になっています。

これには本当に尊敬と感謝しかありません。

ロシア人彼とのコミュニケーションで大切なことは「忍耐と感謝」

 

ところでそんな彼でも難解な熟語や尊敬語、謙譲語などになると途端にわからなくなってしまうのは、やはり日本語の留学生ではないゆえんか。

難しい熟語をやさしい言い回しに「翻訳」するのは私の仕事です。

ただここで、一つ問題が。

 

 
日本語の会話って、ほとんどオノマトペ!!
 
そう!
彼と話してて、彼が
 
C君
『え?なに??説明して!』
と100%聞き返すのがオノマトペです。
 

日本語の会話はほぼオノマトペでできている!

オノマトペとは、擬態語や擬音語のこと。

擬態語とは:

心のなかで考えていることや実際には音のしない状況を文字に起こしたことば。

(「ドキドキ」や「キラキラ」など)

 

擬音語とは:

モノや生物が発した音を文字に起こしたことば。

(ドアの開く「ギィーッ」や牛の「モーモー」など)

 

「オノマトペ」という言葉自体は日本語ですが、元はフランス語からきているそうで、そのフランス語も語源をたどると古代ギリシャ語からきているようです。

 

私たち日本人は、ふだんの会話の中にどれだけオノマトペを使っているか意識したことがありますか?

日本語のオノマトペ数は2000語といわれており、日本語の日常会話に必要な語数は8000~1万語という研究結果もあるので、4分の1~5分の1はオノマトペが占めている計算になります。

 

オノマトペといえば、濁点がつくかつかないかで表現の程度が変わったり、半濁点がつくだけで意味合いが変わったりします。

たとえば、

コロコロ」は「転ぶ、転がる」からきていると思われますが、なにか小さな丸いものが転がるイメージ。

ゴロゴロ」はもっと大きな、こぶし大以上のものが転がるイメージ。(猫が喉を鳴らす音でも)

へらへら」は人を馬鹿にしたようなイラッとする笑いのことだし、

ペラペラ」は流ちょうに言語を操っている音。

 

意味がほとんど変わらない、「ふらっと」や「ぷらっと」もあります。

「ふらっと/ぷらっと散歩する」とかね。

 

(生理的に受け付けない話を聞いて)

「えー、それなんかゾワゾワする」

 

(とてつもなくカワイイ生き物を見て)

キュン死!!」
 
(新しいドーナツの商品説明で)
「外はサックリ、中はふんわり
 
(マンガのなかで、誰も反応しない一コマで)
シーン…
 
私たちが使う、見る、読むオノマトペはあまりに多く、あまりに日常に浸透しているんです。
言語として日本語を学んでいる人でもない限り、これに気づくことってなかなかないんじゃないでしょうか。

 

 
私たちは無意識にオノマトペを使い分けて表現しているんですね
 

オノマトペを説明するってほんとに難しい

席ほどの青字に起こしたオノマトペ、もし封じられたらあなたならどうしますか?

 

コロコロ「ウサギのフンが、、、ある。落ちている」

ゴロゴロ「休みなので一日中、横になっていた」

へらへら「だらしなく笑う」

ペラペラ「日本語を上手にしゃべれる」

ふらっと「そのへんをちょっと散歩する」

ゾワゾワ「なんかトリハダ立っちゃったよ」

キュン死「かわいすぎて死にそう」

サックリ、ふんわり「外は固くて、中はやわらかい」

シーン「   」(空白)

 

なんとかできました。

意味をうまく維持したまま、表現したいことが伝えられた言い換えもあれば、意味は通じるけど非常に味気ない表現になってしまったものもあります。

これ、時間をかければいろんなもっとボキャブラリーを使って言い表す表現を探せるかもしれませんが、実際には外国人彼氏とリアルに会話しながら言い換えたり説明したりしないといけないんです。

 

経験上、ものすごく大変だったオノマトペがあります。

それが、

パキッと」

です。

アメリカンドッグに使うケチャップの話で、

 

 

ケチャップとマスタードが一緒に出るやつ知ってる?

まん中でパキッと割ってさ…

 
C君
『パキッてなに』
 
え?パキッてさ、こう…(指のしぐさをしながら)、
薄くて平たいものが割れる音だよ
 
C君
『ぜんぜんわかんない』
 
実物があれば一番ですが、私もこれ以上説明のしようがなく彼は最後までわからないままでした。
パキッはパキッだし、どーんはどーんだし、ビューンはビューンなんだよ( ;∀;)
 

なぜ日本語にオノマトペがこんなにも多いの?

オノマトペは1300年前の日本最古の歴史書「古事記」にも「こをろこをろ」という表記があったようです。

 

 
私は言語学者ではないので詳細まではわかりませんが、これほどまでに日常会話に浸透している一つの要因として、四季や森羅万象を五感すべてで感じる日本人の繊細さがゆえ、と考えています。
セミの声なんてただの騒音なのに、それにも音をつけて夏の情緒を味わうなんてなかなか粋じゃありませんか。
「セミの声がすっごいねー」
「いやぁ、夏だねぇ」
 
※ちなみにセミの声はロシア人にとって『気が狂いそう』とのこと(-_-;)
 
もうひとつ、マンガ文化があるからかなとも思います。
マンガでは音がない分、コマに文字で音を起こさないといけませんよね。
動作やしぐさのひとつひとつに細かい音をつけることで、より臨場感にあふれたり、笑いや悲痛など感性を刺激する内容に仕上がります。
世界に誇れる日本のマンガ文化で、オノマトペがより一層の発展を遂げたのではないでしょうか。

 

ロシア語にもオノマトペってあるの?

ロシア語にもオノマトペはあります。

ロシア人彼に聞いてみました。

一例をあげると、

 

ガふガふ:犬の鳴き声

ムゥ~:牛の鳴き声

カップカップ:水が滴る音

 

などですが、日本にある音のほとんどがロシア語にないことが判明。

たとえば、ものを切るときの音。

 

  • ハサミでジョキジョキ切る
  • 包丁でトントンと切る
  • カッターで指をザックリやってしまった

 

ロシア語はなに一つないそうです。

ただ「切る」という動詞を使うだけ。

 

また、幼児はオノマトペのようなことばをよく使うそうです。

たとえば子どもがロシア語で『ピシピシ』と言ったら、「おしっこをする」の『писать(ぴさーち)』からきていることばなので、『おしっこしたい』になるそうです。

 

なので日本語のオノマトペがわからないロシア人彼は、

 
C君
『日本人は子どもっぽいから子どもみたいなオノマトペ使うんだヽ(`へ´)ノプンプン
と逆ギレします。
 

まとめ:制限されてはじめてわかるオノマトペのありがたさ

オノマトペってすごく大事。

これがあるから細やかな感情や物体の質感、ものの大きさ、速さ、空気感などすべて表現できるんです。

日本語の会話からオノマトペをなくしても、言い換えれば意味が通じることはわかりました。

しかし、日本人同士ならわかる微妙な差まで共感はしてもらえません。

そしてロシア人彼もそんな繊細な部分までは情報として知らなくてもかまわない、といったようす。

外国人と日本語で話せることは便利ですが、オノマトペを封じられると何かしらの消化不良感が否めない、というのが現実です。

 

でもわかりやすくて簡単なオノマトペはどんどん教えてあげるといいですよ。

私はハグをするときの「ぎゅうっ」という音を教えてあげたところ、LINEでも「ぎゅう」とか「gyuu」とか書いてくれるようになりました。

ちいさい「っ」は書けないらしい(笑)

 

そして『○○ってなに?』の質問がいっぱい来ると思うので、ふだんからオノマトペの意味を意識するようにしてみてください。

 

それでは素敵なオノマトペライフを!

 

関連記事

私は以前、ハーフタレントやハーフの子どもへの過剰なあこがれはいかがなものかという記事を書いたんですが、それと同時に「バイリンガルハーフの人の頭のなかってどうなってる?」という興味はわりとあるんです。 ⇒ハーフの子どもをもてはやすのは日本人[…]

最新情報をチェックしよう!