19世紀のヨーロッパ近代文学が大好きな私が今回紹介する作品は、超絶おもしろい復讐活劇『モンテクリスト伯』です。
『モンテクリスト伯』はこんな人におすすめ
- テレビやゲームがつまらなくなった
- 毎日同じ生活の繰り返しで退屈している
- 最近の本に面白さを感じない
- 年とったせいか、あんまりドキドキワクワクしなくなった
- 若い頃に切ない恋愛をしたことがある
- イライラすることが多い。とにかくスカッとしたい!
いかがですか?
ひとつでも当てはまったら、アレクサンドル・デュマの『モンテクリスト伯』をぜひおすすめします。
私は10年ほど前に初めて『モンテクリスト伯』に出会ってから、何度も読み返しています。
読み返すたびに初めて読んだ時のような興奮と切なさと爽快感が体じゅうを駆けめぐり、読後は何をしていても『モンテクリスト伯』で頭がいっぱい。
あなたにトップクラスのエンターテイメントをお約束します!
『モンテクリスト伯』を一度読み始めたら最後、結末を知るまで何も手につかなくなるくらいの没入感をぜひ味わってみてください。
あなたの日常が変わることまちがいなし!
著者アレクサンドル・デュマのプロフィール
本名はアレクサンドル・デュマ・ペールといい、有名な著書に『三銃士』シリーズや『王妃マルゴ』などがあります。
デュマは小説、戯曲、グルメ本から旅行記まで多様な作品を生み出してきました。
生年は1802年、祖母が黒人(奴隷)であることからクオーターとして差別され、創作活動や著作権でたびたび問題が起きたようです。
『モンテクリスト伯』を書き上げたのは44歳頃、1846年のこと。
この時代になるとカメラでの撮影が肖像画にとって代わられ始め、デュマもしっかり写真に納まっています。
「こんなおじさん、今でもいそう」というくらい、なんだか親しみのある面立ちとかっぷくの良さ。
デュマは脳卒中によって68歳で最期を迎えることになるんですが、美食家で浪費家という自由な生き様はちょっぴりうらやましいですね。
『モンテクリスト伯』の概要
舞台は1815年のフランス。
知らないひとにはピンと来ないかもしれませんが、この時代のヨーロッパはフランスの皇帝ナポレオンが絶対王者として君臨していました。
(ちなみに日本だと「杉田玄白」の名前が出てくるあたりです)
1815年はナポレオン戦争が終わりを迎え、ナポレオンの支持者と反対派の力関係が逆転している時勢でもあります。
この微妙な均衡のくずれが、無垢な青年である主人公エドモン・ダンテスの運命を大きく変える発端となるんですね。
幸せの絶頂でなすすべもなくどん底に突き落とされる主人公…
エドモンに共感すればするほど絶望感しかない展開の連続。
果たして純真な青年エドモンは、どのように変化し、どのように復讐を遂げていくのか。
壮絶な物語の幕開けです。
『モンテクリスト伯』を読むポイント
ポイント①人間関係を把握しよう
性格やバックグラウンドの濃いキャラクターたちばかりなので、
- 誰と誰がどういう関係で
- 今どうなっているのか
をきちんと理解しながら読み進めていくことが重要です。
意外な人物同士の関係を知ることで、今起きていることがどれほどの意味を持つのかがわかるようになると、面白さが格段に深まりますよ。
ポイント②古い言い回しも時代と思え
『モンテクリスト伯』の日本語訳は山内義雄氏によって1956年に初版されたものが一番古いのですが、半世紀以上たった今でも重版をくり返して書店で手に取れます。
比較的新しい和訳も出ていますが、なぜか児童向けのダイジェスト版ばかりで、原作の完訳版はほんのわずか。
みなさんには山内版『モンテクリスト伯』をすすめたいんですが(というかすすめざるを得ない)、言い回しや言葉遣いにどうしても古めかしさがあるのは否めません。
そこでこんなふうに考えてみてください。
「『モンテクリスト伯』ってそもそもが150年前の作品やん!」
ほらね? むしろ時代を感じられてさほどマイナスにはならないでしょう。
それからかなり個人的なこだわりですが、「ブ」でなく、ちゃんと「ヴ」の表記になっているのは大変心地いいですね。
『モンテクリスト伯』のまとめ
日々の生活でストレスがたまっている人。
テレビもつまらない、スマホゲームも飽きた人。
いま面白い映画やってないんだよなぁという人。
そして何より、胸キュンな刺激が欲しい人。
『モンテクリスト伯』はそんなあなたの脳髄をこれでもか!というくらいに揺さぶってきます。
この本を読んだら今までの日常には戻れません。
150年以上たっても魂に刺さる作品…読んでみたいと思いませんか?