世界遺産検定2級に合格したので、私の勉強方法をシェアします。
- これから2級を受験する人
- どのくらいの勉強時間が必要か知りたい人
- どんな勉強内容で合格できるか目安が知りたい人
今回の世界遺産検定2級もパソコンで受験するCBT試験。
3級受験時は合否発表は通常通り後日でしたが、今回の2級は「試験終了」をクリックしたら即発表されてものすごくビビりました。
▶関連記事:世界遺産検定CBT試験の受験レポ【必要なものは?受付から退室まで】
3級に出てきた遺産の概要はけっこう頭に残っているので、3級を受験していると有利です。
▶関連記事:世界遺産検定3級に確実に合格するための勉強法
しかし、3級を持っていようがいまいがやることは同じなので、本記事を参考にしていただければ合格できます。
- 学習期間は2週間ほどであればOK
- 基本はテキストを読み込む(ノートはとらない)
- タイムスリップするように遺産にまつわるイメージを膨らませる
公式テキストと過去問はこちら
世界遺産検定受験のためのお役立ちリンク
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※特に世界遺産検定 アシスト動画はおすすめです。
世界遺産検定2級合格までの学習の流れ
学習時間
平日は往復の通勤(1時間)に加えて帰宅後に30分~1時間ほど、休日は2~3時間ほど。
合計20~25時間くらいはテキストを読み込んでいました。
集中力が切れてくると字面を目で追うだけになってしまい、ぜんぜん頭に入ってきません。
あと、めちゃくちゃ眠くなります。
眠くなったらむリせず寝ましょう!
(仮眠をとりましょう!)
10分でもうたた寝をすると、目が覚めたときにかなり頭が冴えています。
なので、
短くても集中が続いている間に全力で読む
のが効果的です。
学習の流れ
私がおこなった学習方法は、
- 問題集を解く
- テキストを最初からざっと読む
- テキストを最初からていねいに読む
- 問題集を解く(2回目)
- 世界遺産の基礎知識と日本の遺産を音読する
- テキストを最後まで読んだら、つぎは最後から最初へ向かって読む
- 世界遺産の基礎知識と日本の遺産を熟読
- 重要なカテゴリーごとに、前から後ろ、後ろから前へ読む
音読は一回のみ(疲れるので)、あとは⑥⑦⑧の繰り返し。
出題される範囲の割合は以下の通り。
基礎知識 | 日本の遺産 | 世界の自然遺産 | 世界の文化遺産 | その他 |
20% | 25% | 10% | 35% | 10% |
出典:世界遺産検定2級
基礎知識と日本の遺産だけで45%も出ます。
つまり、
- 基礎知識
- 日本の世界遺産
を100%マスターするつもりで比重をかけましょう。
実際に試験にかかった時間
試験時間60分ですが、開始から退室まで約40分ほどでした。
一週目は25分ほどかけてじっくり解き、二週目は見直しで15分ほどかけたくらいです。
三週はしていません。
世界遺産検定2級 必ず押さえるカテゴリー
世界遺産検定2級に合格するには300もの世界遺産を覚える必要がありますが、簡単に丸暗記なんかできませんよね。
テキスト1冊を何往復も読み返してほしいのですが、特に以下に挙げる①~⑥までは頻出カテゴリーですので集中的に読み込むといいです。
- 世界遺産の基礎知識(世界遺産の成り立ち)
- 日本の23の世界遺産
- 世界で最初の12の世界遺産
- 文化的景観
- シリアル・ノミネーション/トランスバウンダリー
- ヨーロッパの建築
- 最新の時事問題
※⑦はテキストには載っていませんので、直前にネットで調べます。
①世界遺産の基礎知識(世界遺産の成り立ち)
①世界遺産の基礎知識は次の②日本の遺産と同じく、「特にここが重要!」というより「いやもう、ぜんぶ出る」と覚悟しておいた方がいいです。
各見出しごとに
- 誰がなにをおこなったか
- 各条約(憲章)はどの順番で締結されたか
- 世界遺産はどんな流れで登録されるのか
- 世界遺産センター、ICOMOS、IUCNの役割はなにか
など、1項目ごとていねいに読みます。
見出しだけで内容が一通り思い出せるくらい、何往復もしてください。
②日本の23の世界遺産
①世界遺産の成り立ちとこの②日本の遺産は、何往復しても徹底的に読み込むこと!!
ここでどれだけ得点できるかによって合否が決まるといっても過言ではありません。
なにせ①と②で全体の45%の配点ですから。
読むべきポイントは以下のとおり。
- 各遺産がどう継承されてきたか、世代の移り変わりも読む
- 太字以外の本文もすべて読む
- 本文以外の表や構成資産の図もくまなく読む
- 各遺産と登録基準を照らし合わせて読む
- 歴史のドラマを頭にイメージする
私は23の遺産を
- 前から読み、
- 後ろから読み、
- 声に出して読み、
- 1ページのなかでも段落をさかのぼるようにして読み、
- 1段落のなかでも文章を区切って集中的に読んだりしました。
単純に前から後ろへと読んでていても、「読んだつもり」になっているだけでかなりスキップしてるんですよね。
なので、文章を無作為に読むことで、「何度も読んでいるはずなのに完全に抜けてた」ことに気づけるのです。
あくまで私のやり方ですが。
また、世界遺産の構成資産として、
↑このように地図や表が載っているものは必ず目を通してください。
漠然と見ても頭に入ってこないので、たとえば↑の地図は、
潜伏キリシタンが250年の間にどのような動きをして各エリアに移っていったか?
を本文に沿いながら目で追うと、イメージしやすく覚えやすいです。
なお、こちら→「平和がいちばん」という個人ブログでは、運営者さんが撮影した日本の世界遺産の写真が豊富に載っています。
日本地図で場所の確認もできるので、理解を深めるのに大変有益なサイトですよ。
③世界で最初の12の世界遺産
世界で最初の世界遺産は、ダイレクトに遺産名を聞かれるだけでなく、選択肢の一つとしてもよく出ます。
ですので、
- 遺産名
- 登録されている国
- 赤字/黒字の太字
はすべて覚えておきましょう。
④文化的景観
人と自然が作りあげる「文化的景観」が世界遺産の概念を変えたものとして、試験問題にはよく出題されています。
「文化的景観」カテゴリーはまんべんなく目を通しておきましょう。
特に、「文化的景観の3つのカテゴリー」は頻出です。
⑤シリアル・ノミネーション/トランスバウンダリー
シリアル・ノミネーションは同じ国に点在する複数の遺産をまとめてひとつに数えているもの。
トランスバウンダリーとは国をまたいだ複数の遺産をまとめてひとつに数えているもの。
「どっちがどっちだかわからなくなる…」
という方のために、バウンダリー(boundary)=境界、これだけ覚えておきましょう。
(境界=国境。つまり、国境をまたいだ遺産はトランスバウンダリー)
この違いをよく頭に入れて、シリアル・ノミネーションとトランスバウンダリーのカテゴリーを読んでください。
⑥ヨーロッパの建築
ヨーロッパの建築様式に関しては必ず出題されているので、
- 建築様式名
- 特徴
- 建物の写真
は穴のあくほど見ておくこと。
⑦最新の時事問題
テキストには載っていない、最新の時事問題が数問出ます。
受験時の、
- 最新の世界遺産の情報
- 世界遺産の数(登録だけでなく、抹消も)
- 世界遺産委員会の開催地
などはチェックしておきましょう。
私が受験したときは『コロナ禍における世界遺産委員会の開催について』というテーマの問題が出されました。
世界遺産の覚え方 合格のコツ
- 10の登録基準はざっくり
- 語呂合わせ
- 時系列に並べ替えない(テキストの上下左右どのあたりだったか)
- 写真をググる
- 写真付き、小見出しつきの遺産をくり返し読む
- 家族や友人に話す
- 英語は飛ばす
①10の登録基準は覚えやすいものからザックリ
以下は私が覚えた要約です。
- ⅰ 人類の創造的価値(1番目なので覚えやすい)
- ⅱ 文化交流(2番目なのでそこそこ覚えやすい)
- ⅲ 文明・時代(覚えにくい)
- ⅳ 建築・科学技術(建築系なので覚えやすい)
- ⅴ 人類と環境の交流(覚えにくい)
- ⅵ 歴史上のできごと(負の遺産に多い)
- ⅶ 絶景(景観美)
- ⅷ 地球の歴史(日本の遺産にはないので覚えなくてもいい)
- ⅸ 生物の進化
- ⅹ 絶滅
赤字の覚えにくいもの、日本の遺産にないⅷなどは試験直前に目を通しました。
②語呂合わせで覚える
語呂合わせはかなり使えるワザです。昔ながらの定番技ですね(笑)
キーワードと遺産名を、もう無理やりこじつける。
たとえば、キリスト教の宗派はややこしいんですが、
「ラヴォー地域のブドウ畑」は「シトー会」
▶「ラヴォー≒シトー」
(↑韻を踏んでるつもり)
それから、
「ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラーツィエ修道院とレオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』」は「ドミニコ会」
▶「レオナルドミニコ」
(ドは1個でいい)
あとは、
「ペルシア湾の真珠産業遺産」の太字は「真珠貝養殖床」と「カラット・ブ・マヒール要塞」
▶「真珠ブヒブヒ」
(豚に真珠っぽいから)
など、笑えるくらい強引に関連付けます。
③時系列に並べ替えない テキストの上下左右どこだったか覚える
おすすめは、
- その世界遺産(キーワード)の名前は思い出せなくても、
- テキストの上下左右どのあたりに書いてあったか
を思い出せるようになっていると正答がぐっと近づきます。
テキストのレイアウトで覚える
という方法ですね。
たとえば、
「ダイナソール州立公園」で発掘された化石が「ティラノサウルス」だったか「バシロサウルス」だったか迷っても、
ダイナソール州立公園はテキストの左下だった
バシロサウルスは右上に書いてあった
ことを思い出せれば、消去法で「ティラノサウルス」を選べるということです。
これ、「いや、時系列に並べ替えたほうが覚えやすいよ!」という人はご自分のやり方に従ったほうがいいです。
ただ並べ替えるとなると書き出す作業が必要なわけで、2週間だとその時間もありません。
④写真をググる
重要なキーワードなのに「なんだかさっぱり」というものが多くあります。
これはもう、ググりましょう!
たとえば、
といった文章での説明だけではぜったい覚えられないような単語があるんですが、とにかく写真を見てること。
だいたい一度見たら忘れません。
(クリックでリンク先に飛びます)
世界遺産検定のテキストには写真も豊富ですが、重要な赤字/黒字になっている言葉のすべてに写真が添付されているわけではありません。
意味不明なカタカナのられつより、写真を見て視覚的な刺激があったほうが覚えやすいですよ。
⑤写真付き、小見出しつきの遺産をくり返し読む
試験までの日が迫ってきていてもう時間がない!
というときは、小見出しつきの世界遺産を重点的に目を通しておくこと。
小見出しはその世界遺産の要約でもあり、小見出しがそのまま試験問題に使われることもあります。
つまり、ヒントになるということ。
試験当日は世界遺産の名前と小見出しだけ集中的に読んでおきましょう。
⑥家族や友人に話す
家族や友人に(多少迷惑がられても)話してみるというのも記憶に定着させる手段のひとつ。
たとえば、
「見て見て、この『円形都市ハトラ』。この遺跡ってIS(イスラム国)に壊されちゃったんだって。ひどいよねぇ」
と話していたおかげで、なんとなく記憶に残るんですよね。
試験当日に円形都市ハトラが出題された際、選択肢にタリバンがあっても選ばずに済みました。
⑦英語は飛ばす
英文問題は捨てます。(もちろん、出題分は全力で解きます)
60問中、英語の問題は1問程度。
「英語が得意!」の人なら別ですが、2週間という短い期間ではテキストの英語を読み切る時間がもったいない!
- 人並み(中卒レベル)の英語力
- 日本語でのテキストの読み込み
ができていれば、英語問題は解ける可能性が高いのです。
英文読解に時間をかけるくらいなら、日本語のテキストで太字のキーワードを拾っていった方が合格への近道です。
まとめ
世界遺産検定は基本的に暗記問題なので、暗記が得意な人はかなり有利。
ですが、暗記がそれほど得意ではないふつうのひとでも、
繰り返しテキストを読んで、情景を頭に浮かべる
ことで、緊張していても意外と記憶の底からひっぱりだせるものです。
集中力が続かなかったり眠くなってしまったときは、無理にテキストは開かないこと。
仮眠をとるなり別のことをするなりして、集中力が戻ってきたときに繰り返し細部まで読みこんでください。
世界遺産を知ると人間の文化や地球の歴史がよくわかります。
履歴書にも堂々と書ける資格なので、教養人になるための第一歩にぜひ受験してみてください!
本記事があなたのお役に立てればなによりです(^▽^)/
▶関連記事:世界遺産検定3級CBT試験の受験レポ【必要なものは?受付から退室まで】
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