子どもが遠視と言われた
自分自身、遠視だと指摘された
そんな経験から、「そういえば遠視ってなんだろう?」と思った方のために、遠視のことをわかりやすく解説します。
近視のことは何となくわかっても、遠視について知る機会はほとんどありませんよね。
今回は、遠視をウェイトリフティングに例えてイメージしやすくしています。
時間のない方、サクッと知りたい方もスキマ時間にどうぞ。
>> 「子供が遠視と言われた」近視の大人が遠視の見え方を体験する方法
遠視ってなに? 遠視ウェイトリフティングの理論
近視とか乱視とかはまぁ…なんとなくわかるけど、遠視ってそもそもなに?
【結論】遠視は超疲れる目
遠視とは、物を見ている間ずっと目の筋肉を使い続けている目のことです。
例えるならそう、起きている間じゅう、ずっとウェイトリフティングをしているかのような力を使っているのです。
遠視は筋肉を使っていないとピントが合わない=物をちゃんと見ることができない目だからです。
バーベルを下す(筋肉を使うのをやめる)と、遠くも近くもぼやけてしまい、はっきり見えません。
だから、バーベルを上げっぱなし(マッスル使いっぱなし)にする必要があるのです。
若い頃は無意識に、年をとると意識的にピント合わせの筋肉を使います
年代別 遠視ウェイトリフティング
幼少期から10代は「調節力」と言って、ピント合わせの筋力がものすごくあります。
遠視が強くても、筋肉を使って物をちゃんと見ることができます。
ただし、強度遠視になるとさすがにピント合わせができなくなります。
遠くも近くもよく見えず弱視になる可能性や、ピント合わせのコントロールが狂って内斜視を誘発しやすくなります。
- バーベルが重くても、筋力が有り余っているので軽々と持ち上げられる。
- あまりにバーベルが重すぎると持ち上げきれなかったり、持ち上げてもフォームが崩れることがある。
20代になると調節力は徐々に弱まってきますが、まだまだ現役。
遠視であっても、遠くも近くもよく見えます。
しかし、人によっては「これまで感じなかった眼精疲労」を感じるようになります。
強度遠視の場合は20代であっても、メガネやコンタクトがないとよく見えません。
- バーベルはわりと楽に持ち上げられる
- しかし10代のころより疲労感が強くなる
- バーベルが重すぎると持ち上げきれない
30代の遠視は調節力が衰え、遠くと近くのピント切り替えが遅くなると感じ始めます。
ですが、がんばればまだモノをちゃんと見られます。
ただし、このがんばりが
- 激しい眼精疲労
- 頭痛
- 吐き気
- 肩こり
- 倦怠感
などを引き起こし始めるのです…
同世代の近視に比べると、遠視の30代は老眼を自覚しやすくなります。
- バーベルを持ち上げるのにかなり時間がかかるようになる
- 持ち上げっぱなしがきつい
40代の遠視では調節力はかなり衰えるため、ピントを合わせるのに相当時間がかかるようになります。
遠近のピント切り替えが遅くなるだけでなく、近くを長時間見ているとぼやけてくるので、見ることをやめたくなる時期です。
なお、30代にあった眼精疲労の症状は続きます。
- バーベルを持ち上げるのが相当きつくなる
- 持ち上げっぱなしでいることに限界を感じる
- ていうか、しんどすぎてバーベル持ち上げたくない!
50代以降の遠視では調節力はほとんどなくなってくるため、遠くも近くもぼやけてきます。
努力しても視界はぼやけたままなので、努力そのものをやめる時期です。
もはやメガネがないと遠くも近くもはっきり見えません。
- バーベルはまったく持ち上げられなくなる
- 持ち上げようとすらしたくない
遠視の人が年をとると遠くも近くも見えなくなるのは、筋力に限界が来ていたからなんですね。
というわけで、遠視の人は想像を絶するくらい、筋力使いっぱなしで超疲れる!!
>>近くも遠くも見えないのはなぜ?原因とおすすめ対処法を紹介
メガネをかけると楽になる!
ウェイトリフティング大会をもれなく開催中の遠視の人にとって、メガネは体の疲れをとってくれるマッサージアイテムの一ひとつ。
メガネという天使が、あなたのバーベルを代わりに持ち上げてくれるんです。
無限ウェイトリフティングに強制参加させられずに済むんです。メガネすれば。
まだ裸眼でも遠くが見えている30~40代の遠視でも、遠く用のメガネをかけると、驚くほど疲労回復が早くなる人もいますよ。
※ちなみにコンタクトレンズでもOKですよ
遠視のメガネは物を見るためというより、「はかり知れない目の疲れをとるため」にかけると思ってください
遠視と老眼の違い
遠視と老眼はとても間違われやすいですが、まったく違います。
遠視は眼球のサイズが小さいことで起こる屈折異常。子どもも大人もあります。
老眼は水晶体が硬くなって、ピントを合わせる働きを失うこと。中高年以降に現れる症状です。
なぜまぎらわしいかと言うと、
- 遠視も老眼も「調節力」に関係した症状が出るから
- 遠視も老眼も「凸レンズ」で矯正するから
凸レンズは「虫メガネ」と同じで、真ん中がふくらんだレンズのこと。
おばあちゃんがかけている老眼鏡と、孫がかけている遠視用メガネが同じ凸レンズなのがまぎらわしさの一つだと思います。
遠視の人が老眼になったら、「遠視用メガネ」と「老眼鏡」の2本が必要となります
遠視はメガネ?コンタクト?
遠視の矯正方法は、メガネでもコンタクトレンズでもどちらでもいいです。
ただしコンタクトレンズを使うのは、少なくとも自己管理ができる年齢になってからがいいでしょう。
10代まではメガネで、20代からコンタクトレンズをメインにする人もいます。
問題は「老眼」が始める年代になってから。
老眼世代になったらなるべくメガネへシフトするのがおすすめです。
コンタクトレンズは裏表があり、繊細な取り扱いが必要になります。
老眼が始まると、遠視+老眼で「裸眼でコンタクトがよく見えない!裏表わからない!」という状態に。
慣れていれば見えなくてもコンタクトは入れられますが、裏表やゴミがついていないかなどは、まず見えません
普段からコンタクトとメガネを併用する生活をしていると、あとが楽になりますよ。
まとめ
- 遠視は無限ウェイトリフティング
- 遠視は超疲れる
- 遠視用メガネは「体の疲れをとるためのメガネ」
世界的にも近視の子どもが増えていることは問題になっています。
確かにそれは問題ですが、世間の注目が近視一色になるほど、遠視の存在がますます薄れていきますよね。
軽い遠視なら、ただの「目のいい人」で終わります。
しかし、普通の近視より遠視の方が目や体に過剰な負担がかかっているという事実は消えません。
全力でバーベルを持ち上げていないと、物が見えない。
激しい眼精疲労を感じている本人でさえ、その事実を知らないのです。
たった一本のメガネで眼精疲労が解決することさえも。
遠視に気づいたなら、少しでも早くメガネなりコンタクトなりで、驚くほど快適な生活を送ってもらいたい…と切に願います。